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コロナ後の保育所の役割を考える①

新型コロナウィルスとの遭遇により、保育業界にも様々な変化が起きました。そのひとつが、親子全員参加のイベント行事です。親子イベントの目的としては、子供の成長を感じる場などと体裁よく表現しながらも、実のところは、こどもの練習成果発表を親が楽しむ・親同士が知り合い懇親を深める・親に向けての園のサービス的要素を多分に含んでいました。その為に保育士達は一年中実行委員会を立ち上げ、企画書をつくり、アナウンスの練習をし、一度しか使わないであろう製作物を徹夜で作り、プログラムを作成配布し、当日には自ら涙を流し達成感に満たされるのでした。その為にこどもは本番発表に向け練習に励み、当日は自分の意思など関係なく人前にさらされ、たくさんのカメラを向けられ、上手だろうが下手だろうが、拍手で称えられるという経験を積むのでした。そういった本質的ではない文化を皮肉にもコロナが一蹴してくれたのです。当社ではその10年ほど前からイベント行事の改革に取り組んできました。スタッフや親御さん皆さんから賛否両論を頂きながら、じっくりと時間をかけ理解を得て少しずつ変えてきていました。コロナのおかげで加速的にこれを達成することができたことは、不謹慎ながら有難い事であったと感じています。

一方で、保育士達の仕事は楽になったのかというと、そうではないわけですが、以前に比べれば本質的保育に費やす時間が増えたことは確かな変化と感じています。