2023年10月1日から第2子無償化により、認可保育所と認証保育所の利用者負担に逆転現象が起きている事をご存じだろうか。
東京都多摩市には、東京都許認可の『認証保育所』が全部で10園あるのだが、これらの保育所に通う第2子の3歳以降は、この10月からの基本保育料が完全に0円負担となった。第2子の完全無償化の実現である。
「何を今さら・・・」と思うだろうか。ご存じの方も多いかと思うが、実は、これまでの幼児教育・保育無償化は、そもそも完全0円ではないケースがほとんどであった。というのも、認可保育所では給食費は別計算とされており、副食費という名目で月々6,000円の負担が一律に生じている。幼稚園においては更に独自の徴収があるようで、入園後の徴収なども含めると実態がつかみにくい。いずれにせよ第1子であっても第2子第3子でも幼児教育・保育無償化は完全無償化ではなかったのだ。(そしてこれは10月以降も変わらないようだ)
一方、認証保育所では、給食費は基本保育料に含むため、3歳以降の第3子の完全無償化は既に実現していたが、この度の拡充で第2子も完全0円を実現する事になった。契約外の延長保育料は当然発生するが、駅前の好立地で運営する都合上、他園よりも若干割高な基本料金であるウィズチャイルドの場合であっても、週5日一日9時間保育では完全0円となる。10時間でも1,000円程度の負担で済むことになる。
例えば、3人の子どもがいる家庭で、第1子は既に卒園しており、現在第2子と第3子の2人を保育所に預けているとしよう。2人は5歳と3歳で、8時半~17時半の9時間を平日5日間利用しているが、利用者負担は2人合わせて0円となる。
これからは0円の請求書が毎月届く事になる。
つまりこの10月から、3歳以降の第2子の多摩市における利用者負担額は、認可保育所が6,000円、認証保育所が0円となり、認可外の方が保育料が高い?という概念が完全に逆転する事になる。
ついでに言えば、3歳未満の保育料金についても、ウィズチャイルドの基本料金は、第2子で月額3,000円と大幅な負担減となる。第1子で比較してもウィズチャイルドが月額30,000円であるのに対し、認可保育所は家庭所得に応じて20段階ほどに定められている内の中間層に位置する料金が30,000円台に設定されている為、単純に所得が中央値より高い家庭にとっては認証保育所の方が安いという事になる。
時代は加速的に変化している。そしてこの10月からまた大きく変わった。去年の情報すらもう古いのだ。
今後の保育所さがしにおいては、既成概念や先輩情報に囚われず、最新の情報収集をする事をお勧めする。
因みに、ほかほかの最新情報をひとつ。ウィズチャイルドが運営する企業主導型保育園【聖蹟こどもTERRACE】は、この度の無償化の流れを受け2024年1月から大幅な料金改定を行う。0~2歳児であっても多摩市民で第2子であれば月額3,000円で週6日13時間を延長料金なしで利用できるようになる。長時間利用や不定期な保育時間で負担増を強いられてきたご家庭にとっては朗報だ。もはや破格というよりも、概念の転換が訪れたと言った方が馴染むだろう。第2子以降は保育料が不要な時代になったのだ。多子世帯にとってはうれしい限りである。
ただ、誤解しないで欲しい。これは世の中の変化であって、私達は保育を安売りする気は毛頭ない。認可外は高いと言われた時代が完全に終わったのだ。無償という同じ土俵に立ち、真に保育の質が問われる時代になった。ここからはむしろ本質的な価値で選ばれるのだ。利用者のニーズに応える保育所が選ばれるのだ。そう思うと、私達は武者震いするのである。